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中島昭美先生の似顔絵の画像です

 中島昭美について

中島は、昭和27年から10余年にわたって山梨県立盲学校で行われたわが国初めての盲ろう教育に参加して、触覚のみによる言語行動形成という画期的な成果をあげた後、様々な障害のある子どもや人々との関わり合いを通して、触覚に基づいた感覚の使い方、運動の起こし方、空間の構成の成りたちの道筋と、深い教育理念に基づいた学習法を明らかにし、「ヒトの初期学習」、「概念行動の基礎学習」、「記号操作の基礎学習」に分けて、昭和52年に研究紀要『人間行動の成りたち』を著した。この研究紀要は、障害児教育に関わる多くの入々に深い感銘と指針を与え続けている。
 
そして、「寝たきり」と言われるきわめて障害の重い子どもたちとの出会いを通して、口や足の裏、背中などの全身の触覚や姿勢の重要性、あるいは外界の構成に果たす面の役割などを明らかにしてきた。
また、一貫して中島は、感動をもって子どもに学ぶことの大切さを説き、人間行動の成りたちの本質や人間存在の根源の解明を追求し続けた。
 
こうした中島昭美の歩みは、多くの学校の教師や施設職員、父母などに影響を与え、各地で様々な工夫による実践研究が積み重ねられてきて今日にいたっている。

 

中島昭美略年譜

昭和 2(1927) 41日 父氏家信、母かつの三男として、現東京都文京区西片にて出生。
昭和14(1939) 3月 誠之小学校卒業。
昭和20(1945) 3月 武蔵高等科文科甲類卒業。
              4
月 東京大学文学部心理学科入学
昭和24(1949)12月 卒業論文「盲人の空間知覚に関する一研究」。
昭和25(1950) 3月 東京大学文学部心理学科卒業。
               5
月 東京大学教養学部助手。
昭和27(1952) 山梨県立盲学校において、盲聾教育が開始される。
           (
盲聾児山口成子さん、秋山忠男さんに出会い、数年後、増田一則さんと出会う。)
昭和31(1956) 5月 東京大学文学部助手。
昭和33(1958)11月 「盲ろう者についての教育心理学的研究」によって「毎日学術奨励金」を授与される。
昭和36(1961) 4月 東京大学文学部甲種研究生。
昭和37(1962)10月 東京水産大学助教授。
昭和39(1964) 4月 東京都立心身障害者福祉センターにおいて盲乳幼児との関わり合いが始まる。
昭和42(1967) 4月 東京都立葛飾盲学校重複学級において盲重複障害児との関わり合いが始まる。
昭和43(1968)10月 奥山知子さん(元東京都立葛飾盲学校教諭)と結婚。
昭和44(1969)11月 社会福祉法人光道園において盲重複障害者との関わり合いが始まる。
昭和47(1972) 8月 重複障害教育研究会準備会を開催。(鯖江市「社会福祉法人光道園」にて)
昭和48(1973) 8月 第1回重複障害教育研究会全国大会を開催。(東京水産大学にて。)
              10
月 日本盲ろう者を育てる会を設立し、理事長に就任。
              11
月 第1回日本盲ろう者を育てる会を開催。(豊島区民センター。)
昭和50(1975) 5月 財団法人重複障害教育研究所を設立し理事長に就任。
              8
月 東京水産大学教授。
昭和53(1978) 1月 特殊教育百年記念教育功労者として文部省より表彰される。
昭和56(1981)11月 第12回博報賞並びに文部大臣奨励賞を団体として受賞。
平成 2(1990) 3月 東京水産大学退官。
平成12(2000) 222日午後441分 東京女子医大病院(新宿区河田町)にて心不全により永眠。
              (
享年72歳。)

中島昭美先生が講義をしている写真です

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